こんにちは、梅田です。
ナイジェリアでの買い付けを終え、無事に帰国いたしました。
オンラインショップも再開しております。
南青山のアトリエも再開。
今月から「予約制」となりましたが、さっそくオンライン予約をいただいております。
ありがとうございます!
昨年のガーナ、コートジボワールに引き続き、今回も西アフリカへ飛びました。
ナイジェリア連邦共和国へ!
前回記事で使った地図ですみません。
残念ながら、過激派のテロや国際的な詐欺などネガティブなことばかり報道されがちな国ですが、アフリカで一番の経済大国(エジプト、南アフリカが続くそうです)。
ちょうど滞在中の11月16日には、グーグルのロゴ(Doodle)にナイジェリアを代表する作家の故チヌア・アチェベが「生誕87年記念」で表示されてました(ナイジェリアとアメリカ限定だったようです)。
現地で買った絵本です。滞在したラゴスはここです。
入国の際に審査官に意地悪される(賄賂を払うまでパスポートを返してもらえない等)と聞いてたのですが、むしろ親切にされて、拍子抜けしました。
とはいえ、出国のときは…(以下自主規制。書けません)。
慣れてるので(!?)なんとか切り抜けましたが、毎回メンタルやられます。
それはともかく、ラゴスはアフリカ最大級の都市。
「ヴィクトリア・アイランド」や「レッキ」など、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの小説でもおなじみの地名に現実で接して、興奮しました。
さすがの大都会では、誰も「チャイナ~」「ニーハオ」とか言ってこないし、ジロジロと見られません(ちなみに後日ハンガリーの田舎町を訪れたときはやたらジロジロ見られました)。
「都会の無関心」も時にはいいものです。
ただ、交通渋滞がひどすぎました…。昨年ひどいと感じたガーナのアクラより、数倍ひどいです。
同行してくれたジンバブエ人の友人は、車中で編み物と読書をしていたほどです。
ラゴスの人は天気の話題のかわりに、渋滞の話題で挨拶するとか。
「やあ、今日も夜からひと渋滞来そうですなあ」
「ええ。連日厳しい渋滞が続いておりますが、どうぞお元気で」
銀行主催のファッション・ウイーク・イベントに参加しました。
見渡す限り、アジア人は私だけだったのでちょっぴり気後れしてしまいましたが、何人もの方に「ユー・ハヴ・スタイル!」と梅田洋品店ドレスをほめられました♪
アメリカの人気TV番組「ネクスト・トップ・モデル」の審査員さんもきてましたよ。
ヘナタトゥー(メヘンディ)も体験。
フラニ人のミンタさんに描いていただきました。10年くらいアーティストとして働いているとのこと。
これらはSNSで「現地レポ」できましたが、実は投稿した直後に停電になったりも。
アフリカ最大の都市でも停電があるのか~、とすこし驚きました。
マーケットの店員さんたちはみんな感じよい人ばかり!
それなのに、ナイジェリア人は、よそのアフリカ人にも怖いイメージを持たれてるようです。
地元の人からも「身代金目的の誘拐が多い」とは聞かされました。
幸いにも私はラゴス市内では楽しい思いしかしませんでしたが。
探していた柄もいくつか見つけることができました♪
いくつかのお店で象牙(またはサイの角)を売ってたのが気がかりです。古い在庫だと思うのですが。
それを中国人が買いに来てました。
家に飾るのか、漢方にするのか、印鑑にするのか、わかりませんが…。
需要があるとなれば「密猟」が行われてしまいますね。
じつは日本政府も「密猟と無関係だから」と象牙の国内取引を認めてます。
ですが、イオン、楽天、メルカリが販売禁止を最近決めたそうです。異議なし!
左上の丸いのがキャッサバでできている「ガリ」。時計回りに「エグシスープ」「エディンカイコー」「モイモイ」。
ラゴスではこれらのローカルフードを味わうことができました♪
ガリはすりおろしたキャッサバを発酵させて炒り、水で捏ねて煮たものです。
発酵時間が長いほど酸味が強いそうです。
エグシスープはエグシ(ウリ科の植物)の種を砕いて干し魚と炒めたシチューのようなもので、日本人の口にも合うと思います。
エディンカイコーはカボチャの葉っぱとスモークしたナマズを炒めたもの。
モイモイは豆に玉ねぎや調味料などを加えて、つぶしてバナナの葉っぱに包んで蒸したものです。
どれも全体的に赤っぽいのは、ヤシ油を使っているため。特に炒め物は油を多めに使うのでクセがあります。
お店で出されるものは唐辛子も多めで、辛かったです。
「ガリは噛まないで飲み込みなさい」と料理人に言われました。「そのほうが次の日の昼過ぎまでお腹がすかない」
ふむふむ。そういう理由ですか。
西アフリカでの「噛まずに飲む」という教えは「人間は動物とはちがう(噛まなくていいように、道具を使えるのだから)」という発想から来ている、という説を読んだこともあるのですが。
いずれにしても私は、すみません、蕎麦じゃないんだから無理です。
よく噛んで食べさせていただきました!
今回もお世話になった一家へのお礼に「手巻き寿司」を作りました。
伝説のミュージシャン、フェラ・クティの説明は割愛してもいいですよね?一応、ウィキペディアへのリンクを。
1974年にフェラ・クティは自宅を「カラクタ共和国」にしました。
「ガラクタ」ではないですよ。
周囲に有刺鉄線を張り巡らした建物だったのですが、いまはミュージアムになっていました。一部ホテルになっていて、宿泊もできるようです。
館内はフェラの部屋がそのまま残されていたり、家族の写真、当時の新聞記事などが展示されていました。
かっこいいシャツです。
ここで仲間たちと共同生活をしていたのですね。
靴も展示。たくさん履いてたんですね。
ステージ衣装ですが…。
これは、「インスタ映え」しないのでSNSへの投稿は自粛しました…。
展示の仕方がちょっと…。
「シュライン(聖堂)」はクティ家のライブ会場です(1977年に軍隊に破壊されたのち、再建)。
訪れた日はちょうどフェラの息子フェミ・クティのライブがある日でした。
こちらはフェラのお母さま。1977年に軍隊(1000人!)に「カラクタ共和国」が襲撃された際、女性解放運動家として有名な母フンミラヨさんは3階の窓から放り投げられ、その傷が元で死亡…。
昼前に訪れたのですが、会場内はお酒と違法なあれこれを楽しんでいる、またはぐったりしている人々がいました。
違法なあれこれは「ポリスも買いにくるので捕まらない」と地元の方が言ってましたが…。シュラインは無法地帯?
どこの国にもグレーゾーンはある、ということにしておきます。
ラゴスでは、布・雑貨だけでなく、「ことわざ」も仕入れました。
イボ人の方から聞いたことわざ:
「ナマズは海や湖を泳げるが、スープの鍋で溺れることになる」
猿も木から落ちる、みたいなことでしょうか。
ほかにもいろいろ、ツイッターアカウントの「アフリカのことわざ」に追加します。
これまでも旅先では現地の絵本を買ってきましたが、ラゴスでも素敵な本が手に入りました。
ナイジェリアの様々な名物・文化を1ページごとに紹介。
先にご紹介したナイジェリア料理も載ってます。
今回の旅ではハンガリーにも寄りました。十数年ぶりです。
人形劇をみたり、ユネスコ無形文化遺産「マチョー刺繍」で有名な街へ行ったり。
小さな博物館で民族衣装を着ることができました♪
その後に訪れた「マチョー美術館」スタッフさんの説明によると、私が着た衣装は20歳前後の既婚女性の着るものだそう。
「マチョーは貧しい地域だったけど、衣装にはたっぷり刺繍をほどこしていたのです」「その昔、マチョー民族の新妻は食料品などの倉庫に寝かせられ、夫は郊外の農場で別居。義母は装飾の美しいふかふかのベッドに寝ていたのです」
はぁ…。
なんだか衣装のかわいさに反して、しょんぼりさせられる歴史があるのですね…。
なにはともあれ、じっくりと装飾を学ぶことができました。
ナイジェリアとハンガリーでの体験を、今後の仕事に活かしていければと思ってます。
梅田洋品店の梅田昌恵です。アフリカ諸国へユニークな布や雑貨を買い付けに行き、南青山の小さなアトリエでオリジナルのファッションアイテムに仕立てています。このブログではアフリカのこと、作品のこと、イベントやオンラインショップからのお知らせなどを綴ります。