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2015年08月31日(月) 21:53 | アフリカ, アフリカルチャー, 月報 

2015年8月に気になったアフリカ関連ニュース 「飛行機で乗客ひとり」、「ボコ・ハラムとネカと大統領」など

【9年前の投稿】

国内では安保法案に多くの関心が向いてますが、広大なアフリカではどんなニュースが8月にあったでしょうか。

(直近では、中国のことも気になりますね。さきほどNHKで、中国経済の先行きの怪しさを特集してましたが、日本への影響はもちろん、アフリカの各地で建設中の中国製のビルや高速道路はどうなるんだろう…と思いました。)

南アフリカからジンバブエのフライト、乗客ただ一人

😕 なんでこうなった?…というニュース。

その飛行機の乗客、ナイジェル・ショートさんは、羽生善治さんと対戦したこともある有名なチェスプレーヤー。

100席以上あるボーイング737で、ショートさん一人。機内放送もショートさん個人向け。

ちょっとうらやましいような(ただし、ファーストクラスへのアップグレードは無し)、不安なような、石油の無駄遣いなような…。

(思い返せば約十年前、ブルキナファソからモロッコに飛んだとき、ガラガラだったことはあります。「席は自由です」と搭乗時に言われました。)

ジロジロ見られません

😀 8月はふたりのアフリカ系日本人の高校生スポーツ選手(野球のオコエ選手と陸上のハキーム選手)が注目されましたね。

私事の偶然ですが、今月は彼らとほとんど同年代でガーナ人のお父さんを持つ、十代と二十代の姉妹と会って、原宿で食事したのでした。

数年前に会ったときは、「日本にいると、ジロジロと見られていや!」と一人の子は言ってましたが(「私もガーナに行ったらジロジロ見られるよ!」と答えた気がしますが)、表参道あたりだと外国人ばかりだし、タワシを犬のように連れ歩いてる人もいるし、ちょっとやそっとのことでは人は見てくれませんね(笑)。

甲子園で活躍したオコエ選手についてのスポーツ新聞の記事で、アフリカとアフリカ人への無知と偏見に満ちた表現がありました(批判が殺到してオンライン記事削除)。

そんな記者さんも、たまに観光地や大使館エリアを歩くと、国際感覚が身につくかもしれません。

お互いに学んで、過ごしやすい社会にしていきましょう。

ところで、たまたま世界陸上(北京大会)をテレビで観てたら、アフリカ系選手ばかりが並んだ女子200メートル決勝で、白人のオランダ代表ダフニ・シパーズ選手が一位になりました。

なんでも、練習で「砲丸投げ」を取り入れてるそうです。「DNA」であきらめず、それぞれの体質に合った走り方や練習方法をするとよい、ということでしょうね。

※2016/8/25追記→ リオ五輪の400Mリレーで日本がアジア新記録で銀メダル!15年前からバトンの受け渡しの技術を高めていったようです。

😉 おすすすめ参考図書↓

ライオン「セシル」事件、別の見方

在米ジンバブエ人による「ジンバブエではライオンのために泣きません」も興味深かったです。7月に、ジンバブエの野生ライオン「セシル」を射殺したアメリカ人に非難殺到、というニュースがありましたが、その騒動についてのコメントです。

多くのアメリカ人が嘆願書にサインしているが、彼らはライオンが人間を殺しているという事実を知っているのだろうか?セシルが「地元の人気者」だとか「愛されている」というのはメディアによる印象操作だということに気づいていないのだろうか?

😳 たしかに、思い返すと報道ではジンバブエの住民の声には触れてなかったような気はしますが…。

その後、「ライオンに襲われガイド死亡、セシルがいた国立公園」というニュースもありました。

ボコ・ハラムとネカと大統領

今月は初旬に「ナイジェリア軍、ボコ・ハラムから人質178人を救出」という、よいニュースがあったものの、その後も過激派ボコ・ハラムは少女に自爆テロをさせたりしているようです。

このブログで何度か紹介しているナイジェリアの歌手、ネカの「Pray for You(あなたの為に祈る)」はボコ・ハラムについての曲だということです。

ギターがかっこいい曲です。「キッドナッピング(誘拐)」「ボコ・ハラム」とはっきり歌ってますね。勇気のいることだと思います。

でも、怒りをぶつけたり挑発をするのではなく、「私を誘拐しても、撃っても、私はあなたのために祈ります」。それがムハンマド、キリスト、ガンディー、キング牧師と同じだという、ネカのスタンスのようです。

「イスラム過激派」と耳にすると、宗教問題のような印象を受けますが、本質はたぶん、経済問題なのでしょう。

ナイジェリアは石油資源が豊富ですけれども、キリスト教徒が多い南部に開発が集中していまして、イスラム教徒が多くて資源が少ない北部は、これまで取り残されてきたという経緯があります。
ボコ・ハラムが勢力を拡大できた背景には、こうした格差を巡る中央政府に対する不満があるんです。
それだけに、ナイジェリア政府としては、テロの温床となる格差の解消という抜本的な問題に真正面から取り組む必要に迫られています。
NHK 国際報道

5月に就任したナイジェリアの新しい大統領は、いまだに大臣の指名をしてないようですが、上にあるように、宗教・地域・民族感情に配慮するため慎重になってるそうです。

国連とナイジェリア政府の協力的な活動に期待します。

以上、8月に気になったアフリカ関連ニュースでした。

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梅田洋品店の梅田昌恵です。アフリカ諸国へユニークな布や雑貨を買い付けに行き、南青山の小さなアトリエでオリジナルのファッションアイテムに仕立てています。このブログではアフリカのこと、作品のこと、イベントやオンラインショップからのお知らせなどを綴ります。

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