1月にガーナでお会いしたミュージシャン Wanlov The Kubolor(ワンラブ・ザ・クボロー)の新しいアルバム『Brown Card – African Gypsy』(MP3)が日本でも入手できるようになりました。
CDはガーナでは3月に発売され、夏にはヨーロッパツアーもしたようです。
このアルバムをまさに最終チェック中のアクラのスタジオで、ちょっとだけブラックベリーで聴かせてもらえたんですよねー。
というわけでアルバム完成版を心待ちにしていました。
ロマ(ジプシー)音楽、ハイライフ、アフリカ伝統音楽、ソウルなどなどいろいろなテイストの音楽が融合していて本当におもしろい仕上がりです。
ワンラブはガーナとルーマニアをルーツに持っていますが、副題に「アフリカン・ジプシー」とあるように、今回は特に東南ヨーロッパ色の強い曲が多めです。
また、独特の演奏スタイル(とフェラ・クティへのインタビュー)で有名なナイジェリア人ギタリストのキザイア・ジョーンズやガーナの歌手King Ayisobaなどともコラボしています。
Veverita – Wanlov The Kubolor ft King Ayisoba
パペットがかわいい!
さて…
ワンラブさんは、同じガーナ人のM3NSA(メンサ)さんとFOKN BOISとしても活動しています。以前、二人が主演の「世界初のピジン英語ミュージカル映画」も紹介しました。
そんな二人が最近発表した、国際問題になりかねない(?)曲がこちらです。
タイトルは 「ナイジェリア人に生まれなくてよかった」。
歌詞大意:
やれやれ、ナイジェリア人に生まれなくてよかった。
いつも大声で叫んで、ささやき方を知らない。
なぜ「ミスター」と言わずに「ミストー」と言うのか。なぜハンバーガーやピザの代わりに
エグシ(メロンの種)・スープのヤムイモ添えを食べるのか。きみたちはノリウッド(映像産業)を作った。たいしたもんだ。
でも魔女や魔法使いの登場が多すぎないか。いつも伝統の民族衣装を着てるけど、アルマーニを知らないのか。
ドルチェ&ガッバーナなんかとても似合うのに。どこへ行くにも急がずのんびり。
いつも渋滞、道路はひどい。メール詐欺、マルチ商法、刑法419。
ああ、それってよくないね。やれやれ、ナイジェリア人に生まれなくてよかった。
でも少なくとも、きみたちはリベリア人よりましだ。
やれやれ、リベリア人に生まれなくてよかった…
日本人にはニュアンスがよくわからない部分もありますが…。それに交通渋滞や伝統食、伝統服はガーナでも…。
もちろん、ワンラブはナイジェリアのミュージシャンと共演したり、ナイジェリア人の画家にアルバム・ジャケットを頼んだり、別の曲では「ナイジェリアのために人々が戦っているとき、私もナイジェリア人だ」と歌っているので、上の歌詞は愛情の裏返しにすぎません。たぶん。
リベリア人がオチになってるのが引っかかりますね…。
それはさておき、
『Brown Card – African Gypsy』 何度も聴いて良さがしみてくる、おすすめの一枚です。