ハロー、ボンジュール、グーテンターク、梅田洋品店のうめだです。
ガーナとコートジボワールでの買い付けを終えて、ドイツに来てます。
先週まではお友だちでドイツに長期滞在中のヨーコさんに会いにベルリンにいました。
ベルリンのトルコ料理屋さんでパチリ。
ヨーコさんは梅田洋品店が東京の西荻窪にあった頃から応援してくださってるお客さまでもあります。
ベルリンでも大変お世話になりました!
トルコ系青空マーケットやロシア系スーパーにも連れて行ってくださり、いろいろと珍しいものを入手できました♪
結局、ドイツでもかわいい副資材の買い付けをしてたり…。
いまはミュンヘンに来ていて、ここから日本に戻ります。
アビジャン
ドイツのこともいろいろ書きたいのですが、梅田洋品店の立ち位置(?)を考慮し、アフリカのお話の続きをします。
ガーナのアクラの次に訪れたコートジボワールでは、高層ビルが立ち並ぶ都市アビジャンで過ごしました。
布屋さんはもちろんですが、
食料調達のためにもマーケット通いの日々。
調理用バナナ「プランテーン」をこんなたくさん一度に見たのは初めてです。
日本にも一時期あったスーパー「カルフール」でチョコレートを購入(コートジボワールはカカオ生産量がダントツの世界一です)。
アビジャンではときおり風が吹いたり、大雨も降ったりしたので、アクラほどの猛暑ではありませんでした。
ミュンヘンの州立民族学博物館にあったこちらの地図で「アクラ」と「アビジャン」の位置関係をご確認ください。
両都市の緯度はほとんど一緒というか、むしろアビジャンの方が赤道寄りなのですが…暑さの違いはビル風や入り江の多さの違いでしょうか。
もっとも、夜は暑くて寝苦しかったのは同じでした。
それですこし体調を崩したので、ヨガのレッスンを見つけて行った先が、なんだか素敵な内装の、隠れ家のようなホテルの一室でした(写真はホテルのロビー)。
小額紙幣不足
コートジボワールでは西アフリカのいくつかの国(旧フランス植民地)で共通の「CFAフラン」が通貨です。
このCFAフラン、小銭不足=お店の釣銭不足のために、ちょっと不便でした。
高額紙幣ではかえってモノが買えない、というおかしなことが生じます。
実際には、スーパーのレジでは小銭を出すお客さんを待ったり、余計に一品買うことで細かいお釣りが出ないようにする、などの配慮を強いられます。
おかげでパンひとつでいいところを、ふたつ買ったりしたので毎日お腹いっぱいに(笑)。
女優デビュー?
アクラではみなさん「基本的にチュイ語、伝わらなかったら英語」の順で会話してたようですが、アビジャンではフランス語しか聞こえてきませんでした。
ところが、海辺のオープンカフェで休んでいたところ、少し離れた席に英会話をしている若者たちが。
しかもカメラ一台でなにやらドラマの撮影をしているようでした。
声をかけると、なんと彼らはガーナ人で、映画制作をしているとのこと。
さらには、「こないだまでガーナにいたのよ~」などと話すうちに、なぜか私も映画出演の羽目に…。
役どころは「主演の男性の片想いしている日本人ビジネスパーソン」(笑)。
しかしながら、撮影中に店員さんからお咎めが…「観光スナップ程度ならいいけど、映画撮影はダメ」。
「なんてこの国はケチくさいんだ、ガーナではありえない!(そうなの?)」と若いガーナ人たちは困惑と憤り。
さてさて、この調子で映画はいずれ無事に完成するのでしょうか?
中途半端に終わった私のシーンはカットでしょうか?
もし私が出演していたら「ガリウッド(ガーナ映画)女優」と呼んでください(笑)。
日本人の現地料理店
9年前にも北隣の国ブルキナファソでお世話になった日本人Eさんと、コートジボワールで再会!
実はこの間に東京でも数回お会いしてるのですが、アフリカでの再会が嬉しいです。
Eさんが、現地に長く暮らす日本人ご夫妻が経営されているレストランに連れて行ってくださいました。
「鳥丼」といったメニューもありましたが、基本はローカルフード。
写真上はキャッサバ芋を削って発酵させた「アチェケ」、下のプリンみたいなのは「トー」といって、トウモロコシの粉に水を入れて練り、火を通したもので、蕎麦がきのような食感。
ご夫妻の人柄も料理の味も優しくて、地元の人はもちろん中国人、欧米人にも愛されてるお店のようでした。
Eさんによれば、店主さんはその後さっそく梅田洋品店のサイトを見て、褒めてくださったとのこと♪
素敵なレストランはじめ、様々な現地スポットや人の紹介、多くの情報を教えてくださったEさんに感謝いたします。
セネガル料理店
ホテルの近くにこれまた美味しいセネガル料理店が。
たまに梅田洋品店でも販売しているこの「プラスチック製ヤカン」で手を洗います。
魚料理の「チェブジェン」は私の大好物。
マンゴーは季節外れのため味わえず残念でしたが、セネガル料理があってよかったです。
西アフリカ・ゴット・タレント?
ホテルでテレビをなんとなく観ていたら、有名歌手のアンジェリーク・キジョーが審査員のオーディション番組が。
スーザン・ボイルさんを見出した「ブリテンズ・ゴット・タレント」の西アフリカ(仏語圏)版ですね。
ギター弾きかたり少女や、竹馬で踊るダンスチーム、おじいさんの手品など、なかなか楽しめました。
悲しき動物園
アフリカで動物園に入るのは初めてです。
アフリカでは国立自然公園がよくあるけど動物園は珍しい、と思いこんでましたが、調べたら各国に意外とあるようです。
小さくて、素朴な動物園。
大きな動物は、キリン以外はだいたいいましたが、それぞれ一頭だけだったり、一組のつがいだけだったりで寂しそう。
実は6年前の内戦の時に、放置されて餓死した動物もいたとのこと。
好奇心が勝ってわくわくしながら入場しつつ…やがて悲しき動物園でした。
停電
前回の「アクラの工場見学」でも触れましたが、相変わらず停電が多いです、アフリカ。
アビジャンでも、けっこう停電が発生してました。
ある時はスーパーで停電になってレジが使えず、お客さんたちはカゴに入れてたものを棚に戻して、出て行ってしまいました。
発電所を作って電力供給を増やしても、増えゆく人口やエアコン等の電力消費に追いつかないのかもしれません。
相変わらず、といえば、食品・飲料の看板がコカコーラ(スプライト、ファンタ)とネスレ(ネスカフェ、マギーブイヨン)ばかり!
ですが、車は日本製や欧州製以外にも、韓国製、中国製、インド製が増えてるようなので、今後は食品・飲料も変わっていくかもしれませんね(相手が手強すぎ?味の素さんがトライしてます)。
ラジカルでシンプルな建築
さて、ここミュンヘンでは美術館巡りをしましたが、近現代美術館ではディエベド・フランシス・ケレさんの特別展「ラジカリー・シンプル」を開催してました。
ケレさんはブルキナファソ出身の建築家です。
奨学生として留学したドイツはもちろん、故郷の村をはじめ、アフリカ各地にもその作品があります。
このTEDの講演は館内でも上映されてました。
[ted id=1888 lang=ja]
今日は皆さんに 建築がどのように 私のコミュニティーの生活を変えたか そして どう希望の扉を開いたかについて お話ししたいと思います 私はブルキナファソ出身です 世界銀行によると ブルキナファソは 世界で最も貧しい国の一つです そんな国で生まれ育つのって どういうことだと思いますか? 私がその一例でしょう
エアコンも蛍光灯もない無電化地域で、暑さを防ぐとともに外光を取り入れた学校も作りました。
地元の人はその過程で技術と誇りと職を得ます。
コミュニティにある資源(土、雨、木)で、自分たちで建てて、個々が自立する。
その思想も作品もですが、映像で見る人柄も素敵ですね。
そろそろ帰国します
西アフリカからドイツへの移動は、別の惑星を移動したかのような気持ちになります。
肌の色のちがいはもちろん、樹木の様相、道路の舗装、ピカピカの車、スーパーマーケットの品揃え…。
あと、別の意味では、ドイツは「サービス砂漠(店員さんはオモテナシが不得意…人によるのですが)」と呼ばれる面があるので、日本ともアフリカとも違いますね。
そういえば、ベルリンの青空市場でプランテーン・チップスを売ってたガーナ人女性にチュイ語で「メダーセ(ありがとう)」と言ったら、お互い大笑いしてハイタッチしました(考えてみたら今回の旅では、すべての国でガーナ人と会ってます)。
思い返してみると、アクラとアビジャン、ベルリンとミュンヘンのあいだにも、明らかに人の態度や服装に微妙な違いが…(どちらも飛行機で1時間にすぎませんが、考えてみたら東京と大阪くらいの距離があるのでした)。
美術館でも作者十人十色の表現があることに感心しますし、モノもサービスもファッションも地域によってビミョーにいろいろ、というところで、そろそろ日本のオモテナシその他が懐かしくなってきました。
帰国後はアトリエを再開し、さっそく次のイベントの準備などを始めます。
オーガニックやフェアトレード商品が多いドイツで改めて思うところもありましたし、今後はセミオーダーのほかに「お直し」関連もアピールしていくつもりです。
どうぞご期待ください!
追伸:
コートジボワール滞在中にもっとも驚いたことは、アメリカでドナルド・トランプさんが次の大統領に選ばれたことかも…。
(11/25 一部の字句修正&写真追加)