2014年ケニアだより(4) 帰国しました!

ケニアから無事帰国しました!


左はアフリカ大陸、右は遠くに富士山。

半月ぶりの日本、寒いですねぇ〜。

1/31(金)予定のオンラインショップ再開と、2/1(土)からのアトリエショップ再開をどうぞお待ちください!また、「受注会」も開催します。詳細はこの記事の最後に!

作家のカミングアウト

ケニア滞在中に、個人的にびっくりしたニュースがありました。安倍首相のアフリカ三ヶ国訪問、ではなく、ナイジェリアの「同性婚禁止法」と、それに関連したケニア人男性作家のカミングアウトです。

【1月14日 AFP】ナイジェリアで、同性同士で結婚をした者に禁錮刑を科すことを定めた法律が、グッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領によって成立させられたことが13日に分かり、同国に対して世界各地から怒りの声が沸き起こっている。

「2013年同性婚(禁止)法」と名付けられたこの新法は、同性同士で結婚した者、もしくは結婚に準じた「シビルユニオン」の関係を結んだ者に対し、最高14年の禁錮刑を科すもの。また、他国で認められた同性婚なども同国では「無効」とみなされる。

さらに、同性愛者の同好会・団体・組織の運営や、これらへの会員登録と参加に加え、同性同士の性的関係を直接的または間接的に公開した場合も、最高10年の刑を科される。
AFPBB Newsより

ひどい!ただし、そこにはアフリカの伝統ではなく「キリスト教」や「ビクトリア朝」の影響があるようです。

欧州を中心に同性婚を合法化する国が増えるなか、アフリカでは英国の植民地時代に持ち込まれた法律や文化的背景の影響で、多くの国が同性愛を禁止している。
CNN.co.jpより

このニュースの数日後に、髪を多様性の象徴の「虹色(…という報道を読みましたが、よく見たら青と赤だけ?)」に染めたケイン賞作家Binyavanga Wainaina(ビニャヴァンガ・ワイナイナ)さんがゲイであることを告白しました(日本で有名なマラソン選手のワイナイナさんではありません)。

ケニアもホモフォビックな社会で同性愛行為は違法らしく、多くの人にとってショックだったようです。現地の新聞も、連日この話題をとりあげてました。

英語の新聞をいくつか購入しましたが、「この時期の告白は勇気がある」と書いてはいても応援しているようではなかったり、「ケニア人は彼を誇りに思うべきだ」とワイナイナさんを称えてアフリカ社会の無知や差別を非難したり、「このことでケニア社会がゲイ・コミュニティに寛容になるかは定かではない」と分析したり、記事によって微妙な温度差ながら、悪い方向に煽ってはいない様子。

1月25日付けのネーション紙(左)とザ・スタンダード紙(右)。漫画(2002年のケイン賞作品『Discovering Home』と2014年のケーン〔=サトウキビ〕賞作品『私はゲイ』)は、ワイナイナさんを責めてるのではなく、非寛容な社会を風刺してるんですよね…?

ワイナイナさんのツイッターをフォローしてたし、年末から小説『One Day I Will Write About This Place』も読んでいて、今回の旅にも持参していたので、このタイミングにびっくりしました。ワイナイナ作品の翻訳をしているくぼたのぞみさんもブログでこの件を書かれています。

さすがの都市インフラ

パルシステム
↑モンバサで見かけたパルシステム(生協)さんのトラック。東京の街角と錯覚…。

空港に行くとき、運転手さんが声をひそめて私に言いました。
「ここから先にポリスがいる。彼らはぼくを見たら難癖つけてカネを払えと言ってくるから、ぼくのことを職業運転手ではなく、トモダチだと言って」
「昨年、空港から火が出て、一部使用不能になったままだ。たぶん政府関係者が放火したんだ。あそこに保管されてるやばい書類を燃やして、証拠隠滅をはかったのさ。噂だけど」

現在の大統領(ウフル・ケニヤッタ)について尋ねると、「国はひどくなった。物価が上がった」と言ってましたが、モンバサで知り合った人は「前の大統領が、票が欲しくてソマリア移民を受け入れたせいで、犯罪が増えた。いまの大統領はそんなことはなく、よくやってる」と評価してました(あくまで聞いた話で、事実関係は知りません…)。

幸い、汚職警官には出会いませんでしたし、空港内は綺麗で、荷物検査もスムースで、ふつうに順調に出国できました。

厳重な警備に緊張したり、行商と警官の衝突や、列車の五時間の遅延に遭遇したり、外食でお腹をこわしたりしながらも、電気やお湯や道路や三輪バイクやインターネット環境、そして人に恵まれたので、比較的平穏に仕事を進めることができました。

旅行者的には「さすが、『アフリカの優等生』と呼ばれた国」と感じる点は多々ありました。

ですが、近年悪化した治安と、スラムを見て感じた貧富の大きな格差。ぜひ解決して、近隣諸国に平和な多民族共生のモデルを示してほしいです(日本も、ですね)。

2月に受注会開催!

ユニークなパネル柄と時に深〜く時に辛辣なスワヒリ語が魅力。東アフリカのカラフルな布、カンガをお針子の目と指で慎重に選んできました。

なお、たとえば日本のメガネ販売者はたいていメガネをかけてますが、カンガ販売者がカンガを身につけてないことはよくあります。

あ、日本でもレーシック手術をする医師がメガネだった、というのを聞いたことが…。余談でした。

じつは、今年はオンラインショップの10周年ですが、「カンガのバルーンスカート」を発表して10年目(9周年)でもあります!新しい素敵な布で今年もスカートが作れると思うと、わくわくします。

最後に、お知らせです。アトリエは2月1日(土)から再開し、今年も金土日祝の営業です。

それとは別に、2月11日(火・祝) 〜 2月17日(月)の期間、平日もアトリエをオープンして、カンガによる「受注会」を開催いたします。巻きスカート等もできますし、ワンピース用の布も入荷してます。この機会にぜひぜひ、お気に入りの布を探してみてください。

🙂 ケニアの美味しい紅茶&お土産話を用意してお待ちいたします。

今回で「2014年ケニアだより」を終えます。受注会については、近日中に改めてエントリーしますね。