2012年シエラレオネのフリータウンだより(2)会話、会話、会話

髪を編み込んでいる様子

【プチおしらせ】
予約販売受注会」として、今回シエラレオネで買い付けてきた布を見ていただく機会を作ろうと思ってます。
詳細は後日あらためて当ブログでエントリーします。
africawaii.comの「新オーダーメイド・システム」も今週中にはスタートできそうです。わかりやすい、注文しやすい「スローファッション」サイトを目指します。

いままで滞在したことのある十数カ国のアフリカの都市の中でも、フリータウンの人は「働き者」という印象が残りました。
そして、「乗り合いタクシーのつかまえ方」から「この地に伝わる偉人伝説」まで、とても親切にいろいろなことを教えてくださいました。
「日本から来た」ということを珍しがってくれた面も多分にあったのかもしれません。いずれにせよ、優しく見守ってくれたことは、とても助かりました。

さて、何気ない会話にも、人の考えや日常が垣間見えるものです。
今回は印象的だった現地での会話をここに残しておこうと思います。


髪を編み込んでいる様子
↑マーケットで仲良くなった女の子。美容師さんを呼んで髪を編み込んでます。

★観光案内所のウィルキンスさん(仮名)
「私の名前がアフリカ名ではなく欧米風なのは、私の祖父の祖父の祖父…がアメリカの奴隷だったからです」
「この国には海産物があり、農産物があり、ダイヤモンドがあり、若者が多く、エイズ患者は少ない。豊かです。しかし、政治だけが、政治だけが貧しい
「いまの時期は停電が多い。発電は水力によるものなのだが、乾期で水不足になり、電気が不足するのです」

石炭アイロン
↑そういうわけで石炭でアイロンします。

★タクシー運転手Aさん
「ニーハオ!え、日本人なの?
君に聞きたいんだけど、日本人と韓国人と中国人はどうして似てるんだ。
ん?逆にシエラレオネ人とリベリア人とガーナ人のちがいを言えって?
やれやれ。ぜんぜんちがうじゃないか。…なんで笑うんだ。
いいかい、俺たちはイギリスの植民地だったから、英国風の英語だ。いやほんとに、ほんとに。
で、リベリアはアメリカ帰りの奴隷が作った国だから米国風英語だ。ガーナやナイジェリアは現地訛りのブロークンだ。顔もまったく、俺たちとは品格が…」

★タクシー運転手Fさん
「私たち○○民族は教育熱心だけど、□□民族は子供に教育を与えない。だから、物乞いの多くは□□民族なんだ。
物乞いなんてせず、お金を得るには働けばいいんだよ。
え?職がないだろうって?いやいや、仕事は自分で作るものだよ。そうじゃないか。
何でも政府に期待して、待っていてはいけないのさ」

★ジンバブエ人の開発コンサルタントBさん(レストランで)
「ジンバブエは次の選挙によって、ついに独裁者ムガベはいなくなるだろう。彼はいままで三度も選挙で負けたにも関わらず、権力の座に居座った。あまりに長すぎた。まぁ、日本の首相は替わりすぎのようだけど…」

「見て、このコップ!まるでピサの斜塔だ。写真を撮っておこう。(ゆがんでいるのは右のコップ)ううむ、写真ではよくわからないな。この店を訴えても証拠不十分で裁判で負けるだろう

★レバノン人のホテル経営者(ホテルや薬局を経営してるのは、たいていレバノン人でした)
「私は荒れ果てたビーチを数千ドルかけて整備した。観光地にした。
そしたら当時の政府がなんと言ってきたか。
環境破壊だから罰金を払えと言ってきたんだ。
彼らの理屈では、整備した防波堤に波が当たり、その跳ね返った波が、大西洋を越え、南米大陸にツナミとなって到達する、というんだ。
ばかげた話だろう?
私は断固として、無視した。払わなかった。そしたら、それきりさ」
「内戦期間中も、私は外国へ逃げなかった。ホテルを守った。だからみんな信頼してくれている。私はレバノン人だが、ここで生まれたんだよ」
「昼間は気づかないが、深夜の都心を訪れてみると、みんな外で、身を寄せ合って寝てるんだ。
私はその中の何人もの女子児童を教育支援している。学校を出なければ、彼女たちは売春でしか生活費を得られなくなるからだ」

★タクシーで乗り合わせたインテリ風な人
「いまの大統領?歴代最高だね
コロマ大統領バッジ
世界で最も暗い街だったフリータウンを、ここまで電気が行き届くようにした。道を舗装した。
君たち中国人の援助のおかげだよ。え?君は日本人なの?
失礼、でも日本もとても貢献してくれたんだよ。
秋に大統領選挙があるけど、現職が勝つと思う。二期目だから最後だ。つまり、次回選挙のための『人気取り』を意識する必要がないので、汚職公務員をリストラするとか、遠慮のない仕事ができるだろうね。
もっともっと、この国はよくなるのさ

選挙に行くには登録が必要

★ポストカード売りの人
「それはシエラレオネ代表。うん、二十年前のだけど。
シエラレオネ代表
え、うちの代表が開催中のアフリカ選手権に出てないって?まいったな。そう、弱いんだ。今はね。これから強くなる。日本代表はアジア・チャンピオンなの?あー、そういえば、女子の代表がワールドカップで優勝したね。テレビで観たよ。あの人なんて言ったけな…そう、サワだ。男子はメッシ、女子はサワ。大地震、ツナミもCNNで観たよ…。フクシーマ」

★タクシー運転手Cさん
「この曲が気に入ったって?これはCeeJay(シージェイ)の曲だよ。『チョコレート・ラヴ』。

CeeJayは俺のベスト・フレンドなんだ。
ほら、あれがやつの家さ。見えた?」
(乗り合わせた女性)「そう、あの家よ」

(ふつうの家のようでしたが、それにしてもなんでみなさん、有名人の住まいを知ってるんでしょうね。
そうそう、お土産売場の若い店員さんと「ビーズ論争」をしたのも、いまとなってはいい思い出です。)

★ビーズ論争
「このビーズは石だよ」
「石?ガラスでしょ?」
「石だって」
「ガラスなの。これはリサイクル・ガラスのビーズ。こんなカラフルで直線のストライプの石、あるわけないでしょ?こういう石が地面にごろごろと落ちてるのを見たことある?」
「う…シエラレオネにはあるんだよ!こっちの黒くて丸いビーズも石だ」
「それ、テラコッタでしょう。ほかの外国のお客さんが来たら、テラコッタって言うのよ」
そうか…わかった

楽しい会話がたくさんできました。
フリータウンの記事、もう少し続きます。