「朗読劇・聞こえますか?彼女達の声」

先日、人権擁護団体・アムネスティ主催の「朗読劇・聞こえますか?彼女達の声」を見に行きました。
女優の渡辺えり子さん他舞台を中心に活躍する役者さんが出演しており、その中には私の好きな役者、西田夏奈子さんも共演されるということで、足を運びました。
A WOMAN’S ISSUE という詩集から抜粋された詩を朗読し、女性が受けている暴力の問題を表現するという舞台で、後半は「生きながら火に焼かれて」という本の朗読劇。
女性達が受けてきた苦しみの詩が朗読されるたびにその場を逃げたくなるような衝動に駆られました。
紛争下における性暴力や女性性器切除(FGM)の様子が朗読者を通し、その苦しみや心に負ったキズが痛いほど伝わってきます。
ある女性は同性愛者という理由で家族によって手配された年上の男から強姦され、ある女の子はまだ10代前半だというのに紛争下で強姦や暴力を受けます。
私がジンバブエにいたころ、テレビで見た酷いニュースがありました。
南アフリカ人のエイズにかかった男が、処女と性交すれば直るという祈祷師の言葉を信じ、生後数ヶ月の子供に暴行した、というものでした。
また、私の友人のジンバブエ人女性は待ち合わせしたある日、左目を青く腫らせてやってきました。理由を聞くと、夫と喧嘩して殴られたとの事。
日本でも20人に1人の女性が男性から暴行を受けていると劇中で言っていました。
そういえば、以前にデパートのエスカレーターの踊り場でその現場を目撃したことがあります。
ベビーカーを押した若いお母さんが、一緒にいた夫に罵声をあびせられながら平手で頭を殴られていました。
そのお母さんは反論する様子もなくただうつむいていました。
私に何が出来るのでしょうか。
ただ様子をみているだけではなく、世界で悲惨なことが起こらないように念じているだけではなく、何か出来ることはないのでしょうか。
知ることがまず私に出来ることのひとつだと思います。
伝統や文化からみられる暴力のルーツ、貧困や紛争における暴力など、そうしてこれ以上の暴力が起こらないよう祈ると共に、自らもメッセージを発信していきたいと思いました。
最後に、西田夏奈子さんは舞台の上でいつものように凛々しく、素敵でした。歌う場面があったのですが、その上手なこと!ますますファンになってしましました。
梅田昌恵